車の買取り屋さんとかの情報を色々と散策していると、買い取った車を欲しいお客様へダイレクト販売!なので余計なマージンがかからず高価買取り、、、 とか(いわゆる小売)、自社ネットワークでの小売に自信あり!なので高額査定、、、 とか、在庫として置かずに新鮮なままオークションへ!なので余計な販売経費がかからず高く買取れる、、、 とか、まあ各々の買取り屋さんでは こう色々と自社の高額買取り根拠のアピールをされているようですが、
ちなみに〜 これら各根拠とアピールされている各流通について、また現実下における買取り価格の傾向も含め、今回は 【自社小売流通特化系】 に関し車屋さんの私の観点と見解から色々と切り込ませていだだくと、、、
@ お客様へのダイレクト販売という事は、通常の車販仕入れ(オークション仕入れ)に比べ中間マージン(利益マージン)がほとんど存在せず、その分余裕を持って査定にのぞめるゆえ、それが相応の高額買取りの根拠として十分に成り立つと思われます。
(※ 通常、オークションから仕入れられた車には、旧ユーザーの下取り・買取り価格 + 下取り・買取り店の利益マージン + オークション会場の利益マージン(主に手数料) + (陸送・輸送費) + 販売店の各経費 + 販売店の利益マージン と、こういった各費用の集大成となるが、ダイレクト販売だと 販売店の各経費と利益マージンのみとなるので、その他マージンなどが省ける分余裕はあるでしょう)
A 販売視野は ”小売” であるため、その分余裕があるとも。
(※ 対しオークション流通は ”業販” です。 取引き相手はみな業者のみの市場ですから)
B また消費者ユーザーに最も近い第一線の声が反映しやすく、買取り店の欲しいに相場は敏感かと思われます。
(※ オークション行きでは全国的に平均な取引きの場となりやすいが、直小売だと販売店のちょっとしたニュアンスによって査定が変動する事も考えられ(自社にての取扱いに自信があるとか展示車にぜひ欲しいとか)、場合によっては十分な高値買取りの根拠となるでしょう(同じ仕入れて売るなら、やはり自社買取りの自社販売が一番の理想ですから))
C 特に消費者ユーザーからオーダー(リクエスト)が入っている車の場合には(いわゆる特需)、突出した査定が出る場合も。
(※ オーダーというのはお客様からの依頼注文などの事(リクエストとも)。 固定顧客などから担当営業マンへ直接 「欲しい車があるから探して仕入れてくれ」と注文が入っているため、そのオーダーぴったりの車であればかなり積極的に査定してくれるでしょう。 【⇒ それら状態についてもっと詳しく】 ちなみにもしこれら事例にヒットしてくれれば、おそらく考えられうる査定価額の中で最も最高な形となってくれるかも(それには交渉力なども必要となってきますが))
D 顧客直販ゆえ、稀に消費ユーザーからの要望や傾向には対応しやすい面も。
(※ C の顧客リクエストに似ている部分も御座いますが、通常、買取りや下取り査定においてあまり価格に反映しないと言われている ”ワンオーナー” とか ”禁煙車” とかのアピール箇所。 まあ基本的にはやはり一応この傾向には変わりはないのですが、ただ車種によってはそれらが好まれやすいと そう現場からの声が多いモノも稀にありまして、、、 もしそういった場合に当てはまるなどすれば(但し、希少性と高い需要があり、かつ相応価値が十分見込め販売店が仕入れを強く望むモノに限る)、気持ちながら査定に影響してくれる可能性も考えられるでしょう。 つまり付加価値に多少の余力あり と)
E 新車ディーラーの下取りなどにおいてよく使われている ”赤本系” の相場に比べると、おおよそ高値傾向と言えるでしょう。
(※ ディーラー系買取り屋さんは除く)
@ 買取り車や下取り車などを一旦在庫車として抱える場合には、次の小売までの価格変動に対するマージンを買取り価格などへ考慮しておかなければならず、そのマージンの取り方次第ではずいぶんと査定価格に響く事も(その辺りは会社の方針や規模などによって様々ですが)。
(※ オークション仕入れ販売だと必要な時に仕入れられる一方で、在庫車だと全てが必要な時に仕入れられているとは考え難いですから)
A 消費者ユーザーへ小売した場合、一定期間の間 ”品質保証” される販売方法がほとんどだと思われますので、もし品質保証を万全にしておいても利益が飛んでしまわないようにと〜 予めその分、買取り価格や下取り価格にマージンを取っておくのが当然と言え、もちろんその取り方次第ではずいぶんと査定価格に響いてくることも考えられるでしょう。
(※ オークション仕入れ販売でも同じことは言えますが、ただオークション仕入れだと販売店にも一定の保証がありますし(各オークションでは落札後一定の保証などがあります)、また買取り直だとオークション仕入れに比べやや余裕のある場合も多く想定でき、気持ちに余裕があればやはりマージンの取り方にも余裕を持つ傾向になるとも思われ。。。)
B 在庫車とする場合には一般的に、展示車保険なんてのも考えておかなければいけませんし、そもそも車は大きな商品ですから、展示場の一角に一定期間一台置いておくとしてもけっこうな地代費用がかかってきますし。 それと消費者ユーザーへ小売するからには、中古車情報誌などへの広告費はもちろんのこと(手数料は言えませんが、この辺りけっこう掛かります)、美化経費やメンテナンス費、それと営業手当などの人件費なんかも。
C 販売などに対するお店の得手不得手(得意ジャンルや苦手ジャンル)によって買取り価格が左右されてしまう場合も。
(※ これは直販ならではの問題点とも。 オークションでなら販売店の得手不得手関係なくさばけますが、自社にて小売する場合には 顧客層や店舗の特色などによって取扱い上 得手不得手な車種も出てきますので、もし取扱いの苦手な車種であったなら〜 かなりの減額要素は否めないかもしれません)
D 小売にもやはり限界は御座います。 なのでもしなかなか売れなかった場合には(なかなか売れそうにない車も含む)オークションへ流してしまうなどの次手が考えられ、という事は!? そもそも買取り時にそういった最悪の事態も考慮されていると言え(オークションでさばく)、実態はアピールほどの高額査定でない事も考えられるでしょう。
(※ もしオークションにて転売したとしても、損出しがないように考慮。 ちなみに買取りから時間が経過してのオークション出しとなると相応の価格下落も考えられ(またそれ相応の在庫経費なんかも)、その点を考えると 場合によってはかなり低水準での査定でリスクマージンを取る可能性も(→ 最悪のケースだと、オークション流通系に比べ大きく下回る可能性なんかも))
E お客様へのダイレクト販売だと余計な利益マージンがカット・・・ とは言っても、その分必ず高額査定にしてくれるという根拠はないでしょう。 余計な利益マージンがカット = 見方によっては利益増大のチャンス とも取れ、目の前に収益拡大のネタがあってそれを見過ごす事業者は!?
(※ 新車ディーラー系列や中古車販売店系列が買取り屋さんをやっている(直営)事が多いのは、そこに利益が期待出来るから であって、わざわざ高く買い取るためだけにやっているわけではない と。 また高く買取るためには相応の理由があっての根拠付けとなろうかと思われますが、全てが全てお客様への直接販売が高く買い取る理由とはなかなか考え難いという点も)
F 逆に販売店側として見た場合、「買取りした車を直販!だから安い」とうたっている場合、安く売るための根拠もありますからね。
(※ まあその辺りまでは考え次第かな)
双方で良いとこ取り & 欠点の荒さがしをして行くと、どうしても矛盾点が出てきてしまうなどの問題点は御座いますが、
(※ 2つ軒を並べるとある飲食店で、片方のお店は ”うちの方が安くておいしい”、でももう片方のお店も ”うちの方が安くておいしい” とアピール。 しかしそれらを第三者のお客様から評価してもらった場合では、人の好みなどの環境によっては どちらに対しても ”こちらの方がマズイ” ともなるわけで、、、 まあこれと似たような感じかな)
最終、私的での総評はこんな感じかと。
おおよその平均的水準は、対する ”オークション連携型” とあまり変わらないとは思われます。 あとはその水準を具体化する各お店の裁量次第と言えるでしょう(同じ車で同じ査定方式だとしても、査定する人やお店が違えば評価額も変わってくるわけで。。。)。 但し、顧客と直接つながる流通過程においては 時として、その顧客の要求度や層などによって突出した高額査定が導き出される可能性があるのは間違いないことであり、しかしそうかと言っても、反面、それら要求度や層などは一変して水準抑制につながってしまう可能性も否めず(自社のお客様層に合わないとか不人気車とか。ちなみに直ぐ売れそうにない車などはオークション転売を考慮しリスクマージンを取っておくなども)、
まあ他の買取り屋さんとの徹底比較派の方で、かつ高額査定志向派の方にはジャストフィットな買取り屋さんかな。
以上、各ご参考になる部分など御座いましたら幸いです。
業界20年超の自動車販売店経営者。 もちろんお店は日本自動車査定協会認定の査定業務実施店、かつ私個人も中古自動車査定士資格保有者。 本業人ならではの視点と知識をぎっしり詰め込み編集しております。